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概要

アイパル通信(2021年 秋号)

 3年前に国際交流員として香川県に来られることがわかった時、この上ない幸せを感じました。「日本語を勉強してきたこの13年間の努力がようやく報われた!」と思いました。 しかし、出発の日が近づくにつれて、色々と悩むようになりました。国際交流員の仕事を行う上で必要とされる日本語力が私にはあるだろうか、一緒に連れて行く息子の子育てと仕事を両立できるだろうか、日本語が話せない息子の言語サポートをどうしたらいいのだろうかと不安になりました。 実際に香川に住み始めた後、想像していた通り色々な困難に直面もしましたが、県民の方々の優しさに何度も救われました。国際理解講座で日本語を間違えた時、参加者の皆さんは笑顔で「気にしないでね」と励ましてくれました。出張で東京や横浜に行かなければならない時は、香川の友人が息子の世話をしてくれました。また、息子が日本語の勉強で苦労している時、アイパルと国際課の皆さんは日本語教室や家庭教師を紹介してくれました。 国際交流員として香川に来ることになって、「仕事が決まってよかった!」と思いましたが、香川県で得られたのは仕事だけではなく、私と息子を温かく受け入れてくださるコミュニティと多くの友人でした。国際交流員の任期は終わりますが、カナダには帰らず、これからも大好きな香川県に住み続けますので、いつか私や息子を助けてくださった方々に恩返しができるよう、頑張りたいと思います! 2018年、来日2か月前に国際交流員の合格通知があり、県庁から挨拶メールが届きました。「香川県へようこそ!」と。カナガワ県?いや、うどんのカガワ県! 香川のうどんの種類がいろいろあるように、国際交流員の業務も多種多様でした。業務をうどんに例えるなら、うどんの基本、かけうどんは翻訳。汗をかきながら集中して食べる大好きなカレーうどんは通訳。甘くておいしいきつねうどんは学校訪問。そして色々な材料が入っているしっぽくうどんは国際理解講座といったところです。サイズの大小、あつひや(温かいのは安心、冷たいのはなじみがない)という違いも含め、この3年間でたくさんの経験を味わいました。 日本に来る前にはどんな味か分からなかったのは、「国際交流」でした。どうすれば世界中に浸透しているアメリカ文化を紹介できるだろうか?色々な民族や文化が入り混じっているアメリカという国をどのように定義できるだろうか?と悩みました。 私が香川で生活するうちに分かってきたことは2つ。好奇心に満ちた、アイパルの国際理解講座参加者に「多様性」について説明するたびに、アメリカの国そのものを説明していることに気付きました。「アメリカ文化」として一くくりにできないことこそが、アメリカの文化の定義だと思います。 また、自分の国の特徴や良さを理解するには、異なる文化を知ることが必要だということにも気付きました。最初の理解講座で取り上げたテーマはアメリカの「サンクスギビング」でしたが、自分にとっては当たり前のことが多く、面白い講座ができるとは思えませんでした。しかし、スタッフと何度も練習する内に少しずつ自分の国のユニークさが分かってきました。国立公園や「カウンティフェア」がテーマのときにも、ヒグマの大きさやアイスクリームのフライのことを知ったスタッフが驚くのを見て、自分にとっては何でもないことが実は面白いことだということに気付き、それを参加者の皆さんに伝えることができるようになりました。 様々な経験をさせてくださった香川県の皆さん、3年間ありがとうございました!任期を終えた国際交流員の退任あいさつ任期を終えた国際交流員の退任あいさつ秋あき月づき シンシア(カナダ)香川の好きな場所:八栗寺、女木島好きな日本語:塵も積もれば山となるオーガスト・ホールドリッチ(アメリカ)香川の好きな場所:五色台好きな日本語:なんがでっきょんな?当協会では、県内の国際交流団体等が行う、国際交流、国際協力及び多文化共生を促進する活動や、外国人支援活動に対し、事業費の助成を行っています。対象となる事業や助成率等は下の表のとおりです。来年度、該当する事業を計画されている団体の皆様は、是非ご活用ください。なお、来年度分の申請期限は、令和4年1月31日(月)となっています。提出書類等、詳細はホームページ(http://www.i-pal.or.jp/help/)でご確認いただくか、担当者までお問い合わせください。助成事業名対象となる事業助成率条件①国際交流事業等助成・地域住民と外国人住民との交流を深める事業・地域住民の国際理解や外国人住民との相互理解を促す事業・国際交流、国際協力、多文化共生に係る地域の担い手の育成を図る事業 等1事業あたり事業費の1/2以内、最大10万円・国や地方公共団体等から助成金等の交付を受けていないこと・非営利の事業であること 等※左記①、②の助成事業に対し、同一事業の重複申請は不可②外国人住民支援事業・外国人住民に対する日本語学習支援、生活支援、災害時支援事業・外国人住民の自立と社会参加を支援する事業・外国人住民支援に係る地域の担い手の育成を図る事業 等1事業あたり事業費の10/10以内、最大10万円国際交流団体への助成を行っています国際課のみなさんと卓球大会にて国際理解講座両親来日時の会食国際課のみなさんと山登り5 アイパル通信 2021 秋号