ブックタイトルTAKAMATSU ART LINK 令和2年度報告書

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概要

TAKAMATSU ART LINK 令和2年度報告書

01 障害福祉サービス事業所 かすがの里、あじさい× 松岡 美江(美術家)松岡 美江/MATSUOKA mie1985 年香川県生まれ。美術作家/ デザイナー。家政学部卒業後、Central Saint Martinsで学び、縫う・編む等の技法を通して、人と衣食住との関係や土地に根付く産業への新しい価値の構築を、日常の素材を使用し年代や環境を越えて地域と人をつなぐ活動を行っている。近年は商品化を目指し準備をしている。他 、芸術士 R活動に参加。心地よいルーティーンの生活。その中で、変化に敏感になること、熱心になるきっかけ、心が落ち着く場所作りは個性のように違っています。活動を通して、ゆるやかに新しいリズムが刻まれつつあります。これまで画用紙にキャラクターの絵を描き終わると、「もう終わり」とじっとしていることが多かった方が、布と触れ合っていくにつれ、大きな布に絵の具で豊かな線を走らせるようになりました。今では気づけば片付けの時間になってしまうほど集中し、活動ごとに色合いや形、筆のタッチが混ざり合い彼女なりのシリーズがたくさん生まれました。同じテーマや形を好んでいた方は、今は布の前に立つスタイルで、色と触れ合うのが楽しそうに一色一色丁寧に選び、果物の名前をつぶやいたり季節を感じられたり、絵がどんどん広がりを見せています。他にも、国旗が大好きな方は、サイズを変えて描けるようになり、布に斜めや四角い模様を描き始めました。言葉を交わすように文字を連ねていた方は、自身の中に赤と青の世界があることに気づき、本人だけでなくスタッフさんも驚きの声をあげるシーンがありました。紙から布へ、クレパスから絵の具へ、道具も思想も回数を重ねるごとに変化し、そこから生まれた作品は「新しい扉が開いた!」ものになりました。今年度は、縫製チームの誕生や、施設で作っていた再生紙の利用、作品制作と並行して販売への準備も行ってきました。新しい取組や、それぞれの変化が見られて良い年になりました。05 | | 06