ブックタイトルTAKAMATSU ART LINK 令和2年度報告書

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概要

TAKAMATSU ART LINK 令和2年度報告書

平川 めぐみ/ HIRAKAWA megumi香川県生まれ。服飾専門学校卒業後、大阪・東京でアパレルデザイナーを務め帰郷。香川の伝統織物「保多織」を使ったブランド「ツムギ」の企画デザイン行い新しい世代に向け県内外のイベントにて保多織のもつやわらかな風合いの魅力を広く伝える活動を独自に行う。その他、ダンスや演劇など舞台衣装の制作など、ジャンルにとらわれず衣服に関わる「素材」「布」「かたち」の可能性を追求する。09 多機能型事業所ミルキーウェイ×平川めぐみ(ファッションデザイナー)たくさんの青い毛糸を手渡されることからそれは始まった気がする。どうもそれは、私の車が青いからということらしい。おもしろい。相手がそうすることにどういう意味があるのか?それはどのような相手でも完全に分かることはない。という、活動初日だった。ミルキーウェイは「さをり織り」を愛する施設で、私個人の活動とも重なることが多い。「正解がないのがさをり織り」というロックでパンクな信念が根づいている。皆さんの作品にいちいち感激の嵐、宝の宝庫。さてどのように関わっていこうか。最初は先の尖っていない、毛糸のとじ針を使って、予め穴が空いているメッシュの布に毛糸と針で刺していく。初めはどのようにやろうかと戸惑いも見られたが、やはり根底でつながっていて、すぐに十人十色の作品、力の入れ具合で立体にもなり、色合いや選ぶ素材、密度など思いのままに針を進めることができた。みんなで大きな1 枚の布を広げて一緒に作ったり、個人戦だったり、いろいろ試す。T シャツにそのまま留めつけたり、大きな布はそのままドレスに仕立てたりしてファッションショーのフィナーレを飾った。活動の中で湧き出てくるものや言葉を拾って、差し出す、交換する。想像できるものがいかにつまらないか。その「場所」と「人」と「時間」から生まれる空気?を日々重ねる。外でもない自分自身が、「素のまま」でいられる気がしている。「神から与えられた感性を汚されずに持っている人々。偉人や宗教家でも困難な、無心になれる人々。」「手織りを通して、自由に、何事にも捉われない形で、自分自身の心を表現することが唯一の目的」(施設に掲げられた、さをり織りのメソッドより)27 | | 28