ブックタイトルTAKAMATSU ART LINK 令和2年度報告書

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概要

TAKAMATSU ART LINK 令和2年度報告書

山端 篤史/YAMABERI atsushi香川県生まれ。2009 第1回香川県文化芸術新人賞受賞、2016 LAND SCAPRE 徳島彫刻集団と香川との交流/高松市塩江美術館、徳島LEDアートフェスティバル2016 /徳島市様々な素材を使用し多岐にわたる表現をおこなう。内容も造形物もその時々のインスピレーションを核としていて、一見するとバラバラな表現にも見えるが、作品を媒介物と考えコミュニケーションを図ることを主旨に制作を行っている。06 障害福祉サービス事業所たんぽぽの家×山端篤史(造形作家)参加施設のスタッフからのメッセージたんぽぽの家に携わって、はや5年。竹を使って、はや3年。今年は色々試して竹の可能性を探りたいなぁ。乾燥させて竹の製品を作るのも良いし、藍で染めても面白いかも。などと思案していました。が、何ともならない状況。どうすることもできないな・・・と半ば諦めもありつつの関わりでしたが、久しぶりに訪れると、真新しい竹?切り分ける道具やセッティング、下絵も用意されていて「先生、さあやりましょう!」「え、あ、そうですね。」たんぽぽの家のいつもの空気感。落ち込んででも仕方ないな。ということで、3年連続ではありますが、竹あかりとお正月飾りを制作。今回は自分たちでデザインしたオリジナルの竹あかり。約1年ぶりの穴開け作業。皆さん電動ドリルでどんどん穴を開けていき思いのほか早く仕上がりました。ちょっと苦手な人に手を差し伸べたり、細かいデザインを最後まで自らの手で仕上げたりするさまを見て、少しずつでも前進することの素晴らしさを感じました。皆さんの変わらない姿勢とタフさで力を分けてもらえたアートリンクでした。2020 年8 月31 日ほのぼのオールスターズ念願の2nd アルバム『はらにきゃべつ』を発売しました。メンバーが書いた呪文のような言葉や口癖が新たな6 曲を生みだしたのです。アルバムづくりの過程はとても興味深いものです。たくさんのマイクやコード、機材が並ぶ部屋での録音。曲のイメージに合わせて絵を描く作業。衣装を着ての撮影。解説文の作成。音楽、絵、写真、文字と様々なアートが集まって1 枚のアルバムに仕上がっていきます。録音は施設の一室で行いました。いつもと同じ場所で録音できたことは安心感につながりました。私たちの音楽は独特で、演奏する場所の雰囲気やメンバーの気分や聴く人の心情によって変化します。1 度目の演奏と2 度目の演奏が違っていたとしても、どちらも間違いとは言い切れません。変化する音楽こそがほのぼのオールスターズの音楽と言えるのです。不思議な言葉が並ぶ私たちの音楽は、聴く人の数だけ意味を持ち、可能性は無限に広がります。(ほのぼのワークハウス 藤田 裕子)生活介護のメンバーがアートリンク事業に参加して4年目となる今年は、先生が変わりドキドキワクワクのなか初日を迎えました。担当の尾崎先生はふんわりやわらかい雰囲気でみんなを優しく指導してくださり、自由にのびのびと作品づくりに取り組んでいます。コロナ禍で活動をお休みする月もありましたが、再開後は活動を楽しみにしていたみんなの個性あふれる作品がたくさんでき上がりました。今後もたくさんの可能性が形として引き出される瞬間に立ち会えることが楽しみです。(あゆみ園 佐藤 奈央)今年度も昨年度に引き続き松岡先生と共に製作に取り組みましたが、世相に関係する物の作製をメインに行いました。「レジ袋の有料化」に対応して、大きな白布にアクリル絵の具やマジックペンを用いてペイントを施したエコバックやトートバックを製作し、また「新型コロナウイルス感染症対策」として、ガーゼ生地にペンや絵の具で色付けをした手作りマスクの製作も行いました。筆の使い方や絵の具の選び方に個性が出ており、アートリンクに参加されている方一人ひとりが柄の違った、世界で一つしかない素敵な作品を描きました。そして、縫製作業班と連携しアートリンクで描いた布を1枚1枚丁寧に洗濯、アイロンがけ、縫製の行程を進め作品を完成させました。残念ながら毎年恒例となっているこども園の子ども達の交流はコロナウイルスの影響により行うことができませんでしたが、アートリンクと縫製作業班とのつながりを持ちながら共同で一つ一つ作品を作り上げ、商品作りに結び付けていく喜びが感じられる1年でした。 (かすがの里、あじさい 川西 里歩)今年初めてアートリンク事業に参加しました。コロナ禍の中、開始が遅れ、障がいを持つ当事者たちがどのような反応をするのか、期待と不安で一杯でした。いざ始まってみると、最初から力いっぱいマジックやクレヨンで絵を描く人、力余ってマジックを投げる人、一瞬で描き終わり席を離れる人、それぞれ自分のペースで芸術に関わっていました。回を重ねるたびに当事者にも職員にも「第3金曜日の午後はアートリンク」が定着し、アートリンクが近づくと、「べりさん、べりさん」と講師の山端さんの名前を呼び、「今日は何するんやろ」と楽しみにしています。視覚に障がいがある人も一生懸命に黒い画用紙に顔を思いっきり近づけて、色のシールを貼って作品を制作しました。普段の活動では見られない姿、様子を少しずつ私たちに見せてくれています。この表情や感性を日々の支援に活かしていこうと思います。(クリエイティブハウス パンジーⅤ 萬木 一郎)芸術活動、この時間は全てにおいて解放された時間です。そこに関わる人の言葉、行動、使用する道具など、どんなに変わったことをしていても、すべてが受け入れられる。そしてそれらは作品につながっていく。そんな素敵な時間です。ただ、今年は新型コロナウィルスの感染拡大により、全体で集まって制作することはできませんでした。それでも、野菜を育てる、鉢植えを飾るなど普段できない体験を通して、窮屈だったコロナ生活が楽しいものに変化していきました。自分たちで野菜を育てることも、ましてや収穫することもなかったので、利用者さん、職員共に、とても新鮮な気持ちで取り組めました。夏の野菜作りでは、細目に水やりをしたり、鳥などからプランターを守ったりと、正に「野菜育成奮闘記」でした。その分、収穫できた時の喜び、食べた時の感動は忘れられません。そんな感動の成長記録、制作物を御覧ください。(クローバーハウスこがも 野村 英司)今年もアートリンクは、竹を使った竹あかりと花入れです。3 回目ともなると、竹選びもお手の物で、利用者の皆さんがこの竹がいいよ、あそこの竹もいいねとワンチームで竹を切り、運んで、色々な大きさに切っていきます。そのチームワークの良さはさすがです。コロナ禍の中で、山の中で美味しい空気をいっぱい吸って、みんな笑顔で作業ができました。今年の作品も山端先生と一緒に取り組みました。動物、花、干支、友達と、思い思いの絵を竹に乗せて、ドリルで穴を開けていきます。メンバーで今年始めての人は、先生にドリルの使い方を教えてもらいながら、穴を開けていきます。完成した作品を見て、「こんなんなるんや、穴あけ面白かった。また、したいなぁ」と。山端先生、次は何をしましょうか。来年度もよろしくお願いします。(たんぽぽの家 橘 朱実)参加施設のスタッフからのメッセージ17 | | 18