ブックタイトルアイパル通信(2020年 夏号)
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アイパル通信(2020年 夏号)
香川県内で国際交流や多文化共生の分野で活躍されている方にスポットを当て、紹介するコーナーです。 今回は、「香川大学学生ESD(持続可能な開発のための教育)プロジェクトSteeeP」の代表を務める、香川大学創造工学部3年生の藤田七虹(ふじた ななこ)さんにお話を伺いました。藤田さんが代表をされているSteeePについて教えてください。 SteeePは、Student Team for Encouraging Enviromental EducationProject の略で、環境問題に取り組んでいる香川大学の学生による団体です。SteeePの読み方は「ステップ」。焦らず一歩一歩活動を進めていこうという思いが込められています。 活動の中心となっているのは、月1回実施している「ともにキッチン」という取組です。「ともに作って、ともに食べて、ともに食品ロスの問題を考える」をコンセプトに、地元スーパー等から提供いただいた、その日廃棄される予定の食材を用いて、参加者全員で献立を考え、ともに作って食べます。そして、食後には、クイズ形式で食品ロスの問題について学びます。この活動を通して、まだおいしく食べることができる食材が大量に捨てられている現状や、その改善のために私たち一人ひとりができることについて知ってもらい、食品ロスの削減につなげていくことを目指しています。 また、メンバー全員が「香川県学生地球温暖化防止活動推進員」として認定されるための研修を受け、県内の小学校等で環境教育の出前講座を行っています。その他、イベントでエコ工作のブースを出展したり、環境保護活動について親子で学ぶことができるエコツアーを実施したりなど、楽しみながら環境問題について知ってもらうための機会を提供しています。なぜSteeePに参加しようと思ったのですか? 大学に入り、何か新しいことにチャレンジしてみたいと考えていたとき、授業の中でSteeePの活動について知りました。もともと環境問題に関心をもっていたこと、SteeePが行っている地球温暖化防止活動が香川県、高松市と連携しており、学内に止まらず、外の社会とのつながりの中で活動できると考えたことから、参加を決めました。環境問題に関心をもつようになったきっかけは何ですか? 私は愛媛県の出身ですが、小学校低学年の頃、香川県に住んでいたことがありました。当時、私は、双子の兄と6歳下の妹と一緒に家の近くでよく遊んでいましたが、そのとき、ごみがあちこちに捨てられていることに気づきました。特に、ビンの蓋が多く見られ、幼い妹がケガをするのではないかと心配で、兄と2人でごみ拾いをするようになり、そのことがきっかけで、漠然とごみや環境の問題に関心をもつようになりました。活動を通して、気づいたこと、学んだことはどんなことですか? 一番大きな気づきは、食品ロスについてでした。以前は、スーパーで買物をするとき、なるべく新しい食品を購入しようと、棚の後ろにある商品を手に取るのが当たり前になっていました。「新鮮でおいしいものが食べたい」と思い、何気なく行っていたことですが、みんなが同じように行動したら、お店には古い食材が残りがちとなり、廃棄される食品が増えてしまいます。自分の行動が食品ロスにつながっていることを知り、地球上で飢餓に苦しむ多くの人たちのことを思うと、胸が痛みました。しかし、同時に、私たち一人ひとりの行動によって状況を改善することができるということも学びました。 活動を始めた頃は、環境を守るため自分にできることをするという考えに共感してもらうのは、それほど難しくないと思っていました。しかし、実際には、人によって考え方が異なり、必ずしも共感が得られないということを学びました。「お金がかかる、面倒でそんな手間はかけられない」と考えている人に自分たちの考え方を押し付けることはできません。相手の気持ちや考え方を知り、それを踏まえた働きかけをしていくことが大切だと気づきました。活動を行う上で大切にしていることは何ですか? 人とのつながりです。人脈を広げ、それを活動に活かすことを心掛けています。必ずしもすぐに気の合う人ばかりではないですが、苦手と決めつけないで自分から働きかけていくことで、思わぬ支援が得られたり、自分たちだけではできないことが可能になったりと、活動の幅や可能性を広げることができました。 人とのつながりの大切さに気づくきっかけをくれたのは、陸上のコーチでした。小学校5年生のときに出会って以来、陸上の指導者としてだけでなく、家族のように私を見守り、人生の節目節目には大切なアドバイスをしてくれました。もともと人と関わることが苦手だった自分に、あえて人と関わる機会を与え、励ましてくれました。現在のように積極的に人とつながりを持てるようになったのはコーチのおかげだと思っています。大学に進学したのも、現在の学部を選んだのもコーチからの助言があったからこそです。大学入学が決まったときには、この4年間にしかできないことをするよう背中を押してくれました。私の人生にとってコーチとのつながりはなくてはならないものです。今後の目標や抱負を教えてください。 大学生は自分たちにとって最も身近な存在ですが、その大学生に環境問題に対して関心をもってもらうのが一番難しいと感じています。今年は、大学生にもっと積極的に働きかけたいと考え、現在メンバーでアイディアを出し合っています。また、今年は中央公園と丸亀町グリーンを会場に、環境をテーマとした大きなイベントを開催する予定です。四国全体を代表するイベントなので、各県の学生地球温暖化防止活動推進員にも協力してもらい、「環境問題は難しい」というイメージを払拭できるような楽しいイベントにしたいと考えています。その他、広報活動の強化や、エコ工作のための新しいアイディア探しにも取り組んでいくつもりです。 SteeePの代表としては、一人で業務を抱え込まず、役割を分担し、全員が企画から運営まで全ての過程に携われるような体制をつくるのが目標です。その中で、下の学年のメンバーにもプレゼンテーションのチャンスをつくるなど、後輩を育てることにも配慮していきたいです。 個人としては、就職活動に備え、環境に配慮した企業・機関で、これまで経験したことや学んだことを活かしながらインターンとして活動し、人脈を広げていきたいと思います。香川のみなさんへのメッセージをお願いします。 香川の環境問題というと豊島事件が頭に浮かぶ人も少なくないと思いますが、最近では、瀬戸内国際芸術祭の開催により、国内外から瀬戸内海の島々やその美しい景色が注目を集めています。私の願いは、この美しい自然を守り、香川県が日本で一番環境に良い場所と言われるようになることです。ともに「環境にやさしい香川」を目指しませんか?私たちのイベントにもぜひご参加ください!連絡先 E-mail steeep.kagawa@gmail.comともにキッチンの様子エコ工作の様子エコ工作にチャレンジ!SteeePがエコ工作で行っている「ぶんぶんゴマ」作りに、国際交流員のミョンフンとオーガストが挑戦しました。準備するもの牛乳パック、凧糸、きり、コンパス、はさみ、マジック作り方オーガスト(アメリカ出身)ミョンフン(韓国出身)?牛乳パックにコンパ ?完成!!スを使って円を描いてはさみで切り取る?きりで円の中心点の両サイドに穴を開ける(対角線を引くと中心点がとれます)?円に好きな絵柄を描く?穴に凧糸を通して結ぶ。?ひもを持ってグルグル回転させ、一気に引っ張るとまわります。コツをつかむと、ぶんぶん音を立てて回るよ!勢いよく回ると楽しいね!この「人 」に注目香川の未来につながるストーリーNo.2!4 アイパル通信 2020 夏号