ブックタイトルTAKAMATSU ART LINK 令和元年度報告書

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概要

TAKAMATSU ART LINK 令和元年度報告書

高松先生は、いつも聞いてくれます。「どうしようか?」「どうしたい?」その言葉に促されて新しい色に挑戦したり、作品を切って貼り合わせたりと、作品の幅がどんどん広がっていきます。自分から働きかけることが苦手な利用者の方が多いのですが、高松先生の「どうしようか?」は魔法の言葉のようです。「次はこれ!」とアイデアもどんどん沸いてきます。そして制作現場は、色があふれてきます。あふれだす色に、嬉しさや楽しさ、無心の境地、そしてたまに、うまくいかない悔しさも映っているような気がして、私はいつもドキドキしながら、作品が出来上がるのを楽しませていただきました。根気強く、丁寧に制作した作品をどうぞご覧ください。ぎんせいワーク 平尾 直子アートリンク事業の担当職員になり、もうすぐ一年になろうとしています。アートリンクの活動に参加する利用者は、真剣な表情をする方やニコニコと笑顔が絶えない方と様々ですが、参加者全員が普段とは違う生きいきとした表情をしているので、新たな個性の発見ができる時間になっています。風景や置物、食べ物などを題材に一人ひとりが興味あるアートをアーティストの先生に相談しチャレンジ。色鮮やかに心を込めて描く作品に、様々な画材を使いそれぞれの感性で無限に広がる世界へと変わる、その空間の中では、たくさんの自己表現ができる場所が開かれているのだと感じます。今年も、個性を感じる素晴らしい作品が描かれました。「アートリンク事業報告展覧会」では、たくさんの方々に見ていただき、作品を通じて参加されている方のメッセージが何か一つでも伝えればと感じます。銀星の家 中川 寛隆私が参加している中で一番感じたことは、アーティストの千葉さんと参加利用者との距離感。始めた頃は、コミュニケーションが困難な利用者との接し方に戸惑いが見られましたが、今では利用者の好みを知り、特性も理解しながら関わってくれています。そんな気持ちが利用者にも伝わり、良き支援者の一人、よき理解者の千葉さんに感謝です。今年度は、折り紙を使った素敵な作品が出来上がりました。同じ利用者の同じ絵が、画用紙に描いて色を塗るのと、折り紙に描いて切って貼る作品を比べると、新たな個性の発見と興味の度合いも知ることができました。また、アートリンク事業の継続で利用者の作品が多方面に出展でき、多くの人々に観て知って頂く機会が増えています。新しいイベントは利用者にとって目標であり励みになっています。千葉さんと利用者の関わりは、6年になります。毎年新しい取り組みを考えて頂き、眼からうろこ。視点の置き方からくる拡がりに嬉しくなります。日常の生活支援を行っている施設職員と役割は異なっていますが、利用者個々のエンパワーメントを引き出すファシリテーターとしての存在になってくれています。1年間有難うございました。次年度もよろしくお願い致します。継続は力なり!!ウインドヒル 和田 真由美アートリンクダンスに取り組んで6 年目となった今年度、初めて地域のイベント「三木まんで願」に出演しました。青空の下、自然をバックにしたステージで更にパワーアップしたパフォーマンスに挑戦です。初めてのステージということで、緊張もありましたが、舞台に入るとメンバーの準備は万端!「ダンスはっじっまるよ~」という明るい掛け声とテンポのいい音楽が楽しいダンスの始まる合図です。それぞれが思い思いのダンスを元気いっぱい踊ります!一人ひとり真剣に踊る姿はお客様や私たちに元気と感動を与えてくれました。踊り切った後の利用者の皆さんの素敵な笑顔が忘れられません。たくさんの屋台と地元のお客様に囲まれた素敵なイベントでの発表はかけがえのないものになりました。また、昨年度から引き続き踊っている「平成園音頭」は、先生と一緒にアイデアを出し合って制作したみんなが大好きなオリジナルダンスソングです。利用者の方に曲の感想を尋ねると「青春に戻った感じ」とダンスの楽しさを語ってくれました。今後も利用者の方、yummydance の先生方、職員一同協力し素敵なステージを作っていきたいと思います。朝日平成園 薮木 主税子山端先生とは2年目の活動になります。毎回新しい技法を先生が提案するのですが、利用者さんは思いのまま描き始めます。実に自由にのびのびと描きます。なかなかペンが動かせない利用者さんは職員と一緒にペンを動かしてみます。そのペンの感覚が楽しくてニコニコになる利用者さんも。そんな風にのんびりと一年間活動してきました。そんなたんぽぽが今回は「たんぽぽスナック」という舞台を制作することに!! 前回の瓦町フラッグでは展示だけだったので「今回は皆が何か発表できるステージを作って楽しんでほしい」という山端先生の想いから制作活動が始まりました。大きな板に色を塗るのは単純な動きが得意な方やきちんと端まで塗るのが得意な方、ポスターの色塗りは細かな作業が得意な方。全員が制作活動に参加しやすい貼り絵では看板作りと個々の得意な作業に分かれて舞台を完成させました。さあ、思いっきり大好きなカラオケで楽しもうー!ワークプラザ・たんぽぽ 向井 愛今年から芸術の先生がチェンジされました。今までは絵を描いたり、布を染めたりといった分かりやすい活動だったのですが、今年やってきたのは、金髪で赤い車に乗った究極に体が柔らかいお姉さん!!最初の印象は強烈でした!(笑)活動内容も、体の表現。ダンスじゃなくて表現。まあ、苦戦でした!今も苦戦しているかも…。そんな中、生み出した私たちの表現!今年のこがもは、サーカスをみんなの体で表現します!皆さんには、どう見えるか、私たちは何を表現しようとしているのか…。当日はどうなるかわかりません!その日の気分でサーカスを表現して見せます。私たちのパフォーマンスを皆さまお楽しみください!クローバーハウスこがも 滝川 真理またまた竹あかり第2弾です。前回好評につき、正月飾りにも取り組みました。山端先生いわく、「土こねの次は竹切りとたんぽぽさんはやっぱり自然が似合うな」と。今回もみんなと山へ行って10mもあるような太い竹を3本切り出して、それを3mぐらいずつに切っていきました。もう山へ行く所からアート活動が始まっています。みんなで力を合わせて1つの事をやっていく。その過程が一番楽しいとみんなの表情が物語っています。もちろんその後のラーメンも。今回もみんなの描いた字や絵を竹に貼り付けて、輪郭をドリルで穴を開けていく。思い思いに描いた作品が竹あかりの力でまた違った魅力を発信していく。竹とノコギリとドリルと紙と鉛筆とみんなの力。最後に山端先生の笑顔がつまった作品ができました。今後ともよろしくお願いします。たんぽぽの家 橘 朱実個性豊かな利用者さんの自由な発想で、一人ひとりがのびのびと、その時のひらめきを絵や形に残していくアートリンクの時間。利用者さんの持っている素晴らしい感性を千葉先生が引き出してくれています。形にとらわれない創造力と表現力の豊かさに毎回、利用者さんの新たな一面を発見出来る楽しい時間になっています。色鉛筆、ペン、絵の具を使って次々と色彩を生み出し、利用者さんが笑顔で作品に取り組む姿には日々の積み重ねの大切さと成長を感じます。新しい時代に、これからも進化していく利用者さんの作品を、大勢の人達に見ていただく機会を作って頂けることに感謝しながら、これからも利用者さん、千葉先生と共に楽しく作品づくりに取り組んでいきたいと思います。サン 平川 扶美子CD アルバム『ワレワレ ハ ホニュウルイ』を発売してから3度目の春が来ました。私たちの楽曲はあれから2倍に増えています。今年度はライブ活動よりも音楽づくりに重点を置いた一年になりました。メンバーの口癖やふと零れた一言から、新たな名曲が生まれています。音楽づくりの間、私たちはいろいろなことを試さなくはいけません。言葉を並べ替えたり、新しい楽器に挑戦したり、リズムに変化をつけてみたり。試行錯誤する時間はメンバーにとって、最初はとても退屈なように見えました。でも、その時間がだんだんと皆の中になじみ始めています。そわそわしたり、イライラしたり、おしゃべりしたりせずに、どんな音楽になっていくのかを興味をもって聴き、仲間の挑戦を見守る。自分のパートをこっそり練習するメンバーまで現れました。ライブ活動の中だけでなく音楽をつくる過程においても、メンバーの進化を感じます。ほのぼのワークハウス 藤田 裕子アートリンク事業に参加し今年で2 年目を迎えます。むーさんこと村井さんのご指導のもと、むーさんが持って来てくれた楽しい駄楽器を使ったり、ダンスあり、絵を描いたりなどマルチに活動が出来ました。楽器の音やダンスのノリに反応している利用者さんを見ると、普段と違う様子が見られて驚くこともありました。今回の発表では利用者さんのこんなことしてみたいという意見を中心に、個々の出番などもあり、盛りだくさんの内容になると期待しています。個性のある利用者さん一人ひとりの表現を見ていただけたらと思います。スマイルハートあすみ 大塚 盛也「山端先生、今回妖怪しませんか?!」妖怪好きの職員の一言で始まった作品つくり。妖怪ってどんなもの?香川の妖怪って何?いろいろなレクチャーを受けたり、調べたり、妖怪感度が日に日に増していく、利用者さんたち。紙粘土で仮面を作ったり、長い巻物に百鬼夜行を描いたり、そして得意の陶芸で妖怪も作りました。今回は瓦粘土を使いひと味違った作品となりました。妖怪を並べた妖怪ロードが楽しみです。ほら、あなたの後ろにべとべとさんがいるかも…。あゆみ園 谷本 祐里今年度は講師の先生が松岡先生に変わり、紙の素材とは違い布を使ったアートの時間を新しい気持ちで過ごしていきました。大きな大きな帆布に油性クレヨンを使ったテント作製、フェルト地に色を塗り丸椅子に合わせてカットしボンドを使って貼り合わせた椅子づくり、思いのまま自己表現をした布をカットしミシンを使ってエプロンやトートバッグ作製を行いました。ミシンの針が進むのを興味深々な様子で覗き込み、カタコト、カタコトと慎重に針を進め素敵なエプロンやトートバッグが出来上がりました。手ぬぐい地には絵具を使い、雫をイメージしたかのように筆を動かし雫手ぬぐいを制作しました。布の温かみを感じ、楽しみながら個性や感性を発見し生かしながら素敵な作品になっています。言葉にできないコミュニケーションを創作の場で表現しさらに新しい作品に出合っていきたいです。地域交流の場では、こども園の子どもたちを交えながら「つながれ~みんなのこころ~」をテーマとしてフェルト地に色を塗り、大きな布に子どもたちと一緒にロゴマーク創作を楽しみ、充実した時間を過ごすことができました。かすがの里、あじさい 奥村 加苗アートリンク事業に参加して9 ヶ月が過ぎました。振り返ってみると、初めて清水先生をお迎えした時は、まさに美術家といういでたちに利用者さん、職員、少し緊張したのを覚えています。これから利用者さんの「型にとらわれない自由な発想」をどういった形で引き出してくれるのか期待が一層膨らみました。先生の「まずは白い紙に自由に描いてみましょう。」という一言でそれぞれがペンを握ります。お気に入りの絵を描く人、一色で紙を全部塗りつぶす人、様々です。先生は紙の上に表現した作品からその人の魅力を引き出してくれます。普段利用者さんと身近に接していながら、先生が引き出した利用者さんの新しい側面に驚かされるばかりです。回数を重ねる毎に、スケールの大きな作品作りに没頭していきました。利用者さんの真剣に取り組むまなざしは立派な芸術家です。利用者さんはアートリンク事業を毎回とても楽しみにしています。アートリンク事業を通して今まで表現することが苦手な利用者さんにも一筋の光があたり、これをきっかけに一人ひとりが持っている感性が引き出され、実りの多い生活に繋がることに期待しつつ、利用者さんと共に次の作品作りに心を躍らせています。                 ミルキーウェイ 荒木 千加子参加施設のスタッフからのメッセージこぼ39 | | 40