ブックタイトルTAKAMATSU ART LINK 令和元年度報告書

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概要

TAKAMATSU ART LINK 令和元年度報告書

岩本 象一/IWAMOTO syouichi1981年生まれ 神戸出身2005年~2008年 インドネシア政府奨学金留学生としてインドネシア国立芸術大学にてガムランや舞踊を学ぶ。帰国後岡山に移住しジャワガムラン教室を開く一方、様々な場所でワークショップや公演を行っている。また国内外問わず様々なジャンルのアーティストと共演し活動は多岐にわたる。最新ソロアルバム“寂たる帰航” がある。障害福祉サービス事業所 ほのぼのワークハウス ×岩本 象一(打楽器演奏家)link09ARTIST PROFILE今年度は“挑戦” と“脱却” を目標に活動を始めました。“挑戦” は毎年度のテーマではありますが、固定されたそれぞれの持ち場にこだわることなく担当楽器や歌パートを変えてみました。今年度、特に制作時間を要したのは、「フクロウ、帰って何すん?」という新曲です。何とも不思議なタイトルですが、これはあるメンバーの口癖「帰って何すん?」から着想を得た曲で、その言葉から受けた印象をメロディに変換したところ、「鳥のようだ」という意見が出て本タイトルへと繋がったのです。最終的には、様々な鳥達による短い対話を器楽演奏に乗せて展開するという、タイトルの如く不思議な曲形式となりました。この曲では、今までメインでマイクを握ることがなかった方に挑戦してもらっています。その方特有の歌い方、固定されたメロディに囚われず鳥がさえずるような歌(語りにも近い)は、とても魅力的でノスタルジーな朗読劇のような曲に仕上がりました。“脱却” はルーティンや固定概念からの脱却であり、具体的には作曲方法(音階)の刷新を図りました。今まではガムラン音階で作曲していましたが、いつの間にかその手法一辺倒となっていました。自分が非西洋への執着があったのか、西洋楽器を用いて作曲するのを避けていたように思います。しかし、このバンドを続けていくうちにその固さはほぐれてゆき、「何を使って作曲してもいいのではないか」と、柔軟に考えられるようになりました。そこで、事業所にたまたまあった、アコースティックギターを使用し作曲し始めたところ、メンバー達が自然とついてきてくれました。新たな音階導入により、バンドとして広がりが生まれ、新たな方向性がみえたような気がします。“挑戦” を出発とし、別の次元へと向かう“脱却” の産物が、今年度誕生した曲達でした。多種多様な音や言葉が一つの作品となる瞬間に立ち会えること、そして更新されていく自分の感性。ほのぼのオールスターズでの奇跡的な音楽体験にとても感謝しています。23 | | 24