ブックタイトルTAKAMATSU ART LINK 令和元年度報告書

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概要

TAKAMATSU ART LINK 令和元年度報告書

清水 直人/SHIMIZU naoto共通感覚(コモン・センス)の(コモン)のうちには2つの意味があります。1つは,社会のなかで人々が共通(コモン)の認識にのっとり判断する力(センス)という「社会的な共通性」です。もう1つは,諸感覚(センス)に相わたって共通(コモン)で,しかもそれらを統合する根源的感覚(共通感覚)です。対象的な認識によって捉えるのではなく、関与することにより、またはこの共通感覚をはたらかせることにより、作品を通して社会と人間のアクチュアリティー、時代性を問いたいと考えています。障害福祉サービス事業所 ミルキーウェイ ×清水 直人(美術家)link04ARTIST PROFILE今年度より、ミルキーウェイにてアートリンクをすることになりました。エントランスを抜けると、イベントスペースがあります。ミルキーウェイでは「さをり織り」をしており、このイベントスペースで作品を展示することもあります。この場所でアートリンクを行ってきました。基本的にドローイングを主体として活動を行い、たまに変化をつけるため立体造形などを行ってきました。 ドローイングを中心としたのは、個々の思考や好みの方向性、感覚、変化などが垣間見える可能性が高いからです。いくつか例を挙げると、色に対するこだわり。クレヨン、クレパス、色鉛筆など、どの素材を手に取るかにより、描画において繊細さを求めるか。また、塗り重ねるか塗り分けるか。メモ帳のように日常にあった出来事や、趣味嗜好を記載するなどなど。もちろん、可能性であって全てではないのですが、ドローイングを通じて得られる情報をもとに、活動を掘り下げていくように心がけました。厚めの紙と画材を配ると、それぞれが好むものを描き始めます。「どの先生がどの部屋に入ったか」を記録する人、「椅子が倒れた」という出来事の印象から、紙に「キケン」と描く人。旅行で訪れたお寺の名称や、パーキングエリアやインターチェンジを記す人。ドローイングでは、東映やテレビ放送の映画の一場面をドラマのタイトルとともに、「黒蛸入道」というオリジナルキャラクターを描く人。大好きなアイドルを名前とともに何人も丁寧に描く人。画面には男女のアイドルがいるのですが、じっくり見てみても名前がなければ同一の人物に見えてしまうのです。皆さんの様子から、時間の許す限り、画材のある限り、描き連ねるというこの行為が大切なように思われます。13 | | 14