ブックタイトル高松市障がい者アートリンク事業 平成30年度報告書

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概要

高松市障がい者アートリンク事業 平成30年度報告書

今年でアートリンク事業は5年目を迎えます。利用者の皆さん一人ひとりが題材を選び模写や複写という形をとって取り組んでおられますが、ただ絵画の写真を正確に模写するのではなく、皆さん元の写真等のイメージを大切にされながらも創造性豊かに各々が表現したいものを上手く取り入れて創作されています。普段は集中力が続かない利用者さんもアートリンクになると真剣な眼差しで時折笑顔も交えながら取り組んでおられます。アートというフィルターを介して最初は真白な画用紙の上に自分の思いや表現したいことを投影できる環境が作られているアートリンク事業は素晴らしいと感じました。銀星の家安岡駿利用者の皆さんは、アートリンク事業を毎回楽しみにしています。昨年度、先生の出産に伴いお休みの期間がありました。その時、高松先生から「何でもいいので自由に描いてくださいね」と、スケッチブックと画材をお預かりしていました。その時感じたのは、「自由に」の難しさです。私たちスタッフでは、利用者さんの自由な発想を引き出す感性が乏しいな…と。何もないところから、白い紙に作品を仕上げる難しさを実感しました。アートリンク事業も5年目を迎え、利用者さんの個性もどんどん引き出されています。時間をかけて作り上げたものが1つの作品となり、皆さんに見ていただける機会を作っていただけることに感謝いたします。ぎんせいワーク中嶋陽子アートリンク事業に参加して5年目、1年、1年と時を重ねる中でコミュニケーションを図る1つの手段として感じるまま画材を使い絵画表現ができています。また、一人ひとりのこだわりを少しずつ引出しながら、心行くまでじっくり取組み、創造を膨らませて描いた作品は心豊かで温かい作品にでき上がっています。地域交流の場ではこども園の子どもたちを交えながら「みんなえがお」をテーマとして画用紙に画材を使って、子どもたちと一緒に「みんなえがお」を共感しながら創作を楽しみ、個性豊かな作品ができ、充実した時間を過ごすことができました。この活動を通して一人ひとり持っている個性や感性をさらに発見し生活を豊かにしていける場であり続ければと思います。かすがの里、あじさい奥村加苗参加施設のスタッフからのメッセージアートリンク事業の活動に参加してもうすぐ1年になります。岩本先生も優しく接してくださり、利用者さんも毎回アートリンクの時間を楽しみにしています。利用者さんの好きな言葉を持ち寄って“かくれんぼ”という曲も作りました。みんなで一生懸命練習したので是非お聴きください。また、ジャムセッションでは打楽器を即興で自由に叩くことで、今まで見られなかった利用者さんの一面が見え、楽しそうに演奏している姿を見ると、こちらも笑顔になります。利用者さん一人ひとり個性が違うように打楽器の演奏もとても個性的です。職員も楽器を使って利用者さんとお互い刺激し合いながらセッションを楽しんでいます。スマイルハートあすみの利用者さんが即興で創り出す強烈なビートをお楽しみください。スマイルハートあすみ大塚盛也県内に留まらず岡山県・奈良県・滋賀県で演奏する機会を頂き、そこで初めて出会った人たちと『音楽で繋がり合う』瞬間を体験しました。建物が揺れるほどの興奮。観客の皆さんとの一体感。そんな感動的な場面が生まれたのは、メンバーそれぞれが『表現する』ことを心の底から楽しんでいるからです。ライブ経験を重ねるにつれ、曲ごとに変わる自分の役割を理解し、助けがなくてもプログラムをスムーズに進めることができるようになっている姿は、私たちにとっても驚きでした。あの感動的な場面にまた出会うため、私たちは一人ひとりが何を表現したいのか、どんなことにチャレンジしたいと感じているかをできるだけ漏らさずキャッチしていこうと思っています。小さな一言にも名曲につながるヒントが隠されているのです。皆の「個性」と日々の生活の中で養われた「チーム力」、自分たちの音楽を伝えようと「努力」すること、表現する「喜び」。ライブ活動を経てメンバーの自信と力強さを感じています。ほのぼのワークハウス藤田裕子サンの利用者さんたちがアートリンクに参加することを知り、私はときめきました。彼らと私はパンのチラシやプライスカードを作っていました。作り出す彩りやデザインが楽しくて私は彼らのファンでしたから、アーティストの千葉先生が彼らをどんな世界へ導いてくださるのか。。千葉先生にダメはなくて、個性的な一人ひとりのイイトコいっぱいみつけてくださいました。話が苦手な人も絵を通してお話しできるようになったり、お話好きの彼はレポーターになっていました。アートリンクの時間は待ち遠しい楽しみな時間となりました。そしてそれまでなかったくらい自分の描いた作品を『みて!』とアピールしてくれる利用者さん。アートリンクに参加してることに誇りを持っている。夢中になって時間をすごしている。すごいパワーだなとあらためて感じました。さて、千葉先生。。どんな作品ができあがるのでしょうか??と思っていたら…なんと!楽しい時間は本当に早かったです。新鮮で貴重な時間はカタチとして、作品として残り。彼らに誇りと自信を残してくれました。アートリンクによって覚醒された彼らのこれからに私はもっとときめきます。サン岩井浩子松岡先生とは3年目。当初今年の流れを話し合っている時に、私が出会った映画が、ディズニーの「リメンバーミー」でした。カラフル・音楽の世界・・・。こんな世界が私たちにも表現できたら・・・と思い、先生と考えてこがものみんなで1つの国を作ることにしました。しかし、協調性があるのやらないのやら・・・言い換えれば発想力がいい感じでバラバラ。バラバラを活かして小さな民族が集まった国にしよう!ということで、あえて統一性は持たさず、グループで作品作りを続けました。今年は、「こがも国5つの少数民族をめぐる観光ツアー」。皆様、お越しいただきありがとうございます。素敵な旅の思い出を!!クローバーハウスこがも滝川真理たんぽぽでは今年度から造形作家の山端篤史先生をお迎えし新しいアートに挑戦することになりました。「どんな先生だろう?」「何をするのだろう?」と利用者さんは毎回楽しみにしていました。先生とは初めてなので挨拶代わりに好きな物を描きみんなの前で自己紹介。次に季節ものを描きました。夏は海や花火、秋は落ち葉、冬はイノシシの絵を絵手紙にしました。道具もクレヨンや絵具の筆、ちぎり絵で折り紙をちぎる作業、版画のような作業など初めての作業を体験しました。今回の作品はその集大成で四季を8名程のグループで描きました。個々の作品作りを多くしていたので、最初はその大きなパネルにとまどっていました。しかし、慣れてくると集中して時間いっぱいする方、他の人の作業の様子をみて貼り付ける方など集団の中での作品づくりにも次第に慣れ、楽しむことができていました。今後の作品づくり、どんな物ができあがってくるのか、利用者さんの創造にワクワクします。ワークプラザ・たんぽぽ向井愛たんぽぽの家では、10年前より月に1回塩江の清掃へみんなで出かけています。その清掃宅にりっぱな竹山があり、この竹山をなんとか生かせないかと住民の方の希望も有りいつも考慮していました。今回山端先生の「塩江の竹あかりのように竹を使ってみては」の一言からこの作品作りが始まりました。小雨の中、みんなで10メートルはある竹を切って、それを30センチぐらいの長さに切って、ドリルで図面の上から明かり用の穴を1つ1つていねいに開けていきました。みんな口々に「どんな模様になるんやろう」「明かりはきれいにみえるかな」と言いながら楽しんで作業ができました。そして、LED電球を入れた竹あかりはとてもやさしく、味わいがあり、ほっとやすらぐあかりになりました。おまけに年末には、あまった竹に山から取ってきたなんてん、杉の葉、若竹、水仙の花など思い思いに入れてりっぱな正月かざりができ、これも評判が良かったです。アートリンク。粘土、粘土、竹、さて来年は・・・・・・山端先生よろしくお願いします。たんぽぽの家橘朱実ほぼ新品の窯、立派な土練機、使い方が分からない自動ろくろ機、多量の粘土に多量の釉薬…。何より利用者さんの陶芸への可能性。あゆみ園には眠っているものがたくさんありました。それを呼び覚ましてくれたのが、山端先生。山端先生とは2年目のお付き合い。利用者も先生のことが大好きでアート活動の日を楽しみにしています。粘土に初めて触った日、一生懸命両手で丸めたり、蛇のように長細くしたり、ちょっと味見をしてみたり…、どんな作品を作るのかドキドキワクワク。「お茶会をしよう」と言うことになり、茶器、小皿、一輪挿しを作りました。回を重ねるごとに粘土使いが様になり、みんなが匠に見えてきました。1つとして同じものはない、個性豊かな作品ができ上がりました。焼きの作業ではなかなか上手くいかず、山あり谷あり山あり山ありでしたが、きれいに焼き上がったあの日の窯の中の光景は一生忘れません。自分で作った茶器でお抹茶を頂くのを、みんな楽しみにしています。あゆみ園谷本祐里今年度を振り返ると、記憶に残る活動内容でした。開館30周年を迎えた高松市美術館のイベントに協力施設として作品を出品し、利用者が社会とつながる機会となりました。又、ホストタウンの対象地域である台湾のパラリンピック委員会とパラリンピアンの方々と交流し、国際的に新しい経験もできました。ひとえにスタートより関わって下さるアーティストの千葉さん、事業全体をサポートしてくださる田野さんとのつながりから導かれていることに感謝します。中でも、台湾の方々との交流では、言葉の壁がありましたが、日常的にコミュニケーションが困難な利用者は、言葉ではなく心で通じ合うものがあったことを卓球と創作活動から伺いました。私自身も含め利用者は貴重な経験でした。次年度も、新しい経験に向け、活動の幅を広げていきたいと思います。ウインドヒル和田真由美yummydanceの先生方と出会って5年目となった今年、新しいことに挑戦しました。それは、作詞・私たち。「朝日園音頭」の制作です。早速、それぞれが伝えたい思い思いのフレーズや好きなものが飛び交います。「イチゴが好き!」「なら、その想いを叫んでみよう!」「僕、サルの踊りなら上手だよ!」選んだ言葉が、歌詞になって、みんなで踊りをつけてあっという間に完成しました。練習を重ねて取り組んだ本番では、明るくて、楽しい、素敵な平成園のイメージをそのままお客さまに伝えることができました。曲や歌詞に想いを乗せてダンスに取り組んだ今年度。アートリンク事業を通じて、年々、自分たちを『伝える』表現方法が増えていく利用者の方々の活動を、これからも一緒に楽しみながらサポートできればと感じています。朝日平成園畝木悠熙39 | | 40