ブックタイトル高松市障がい者アートリンク事業 平成28年度報告書

ページ
36/60

このページは 高松市障がい者アートリンク事業 平成28年度報告書 の電子ブックに掲載されている36ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

高松市障がい者アートリンク事業 平成28年度報告書

言葉の羅列は世界の羅列自分の好きなものや日常で見ているもの、訪れたことがある場所、記憶に残った出来事。それは映画や俳優、ミュージシャン、食べ物、ニュース、昔起こった出来事が今どうなっているのかなど多岐に渡ります。彼は当初は画用紙にラーメンなど食べ物を描いていましたが、描くことに対して特に興味はなさそうでした。別に無理をして描く必要はありませんので、日常会話をして時間を過ごしていました。そんな中、同じ質問が繰り返される機会が多いので、何を聞かれたかメモをしていき、それは前に聞かれたから他の質問はある?と質問で返していきました。すると、色々と記憶を辿り考え込んでいましたが、少しずつ彼の見ている世界の有り様が見えてきました。このやりとりは、いつの日にか、頭に浮かんだ言葉や出来事を書き残したいから、文字を書いてくれないかというやりとりに摩り替わり、今ではよく分からないやりとりにと変化して行っています。ですが、その時間は彼にとっては非常に豊かな時間を過ごしているようで、ワークショップ参加の当初に比べて笑いながら話す時間が格段に増えたように思います。出会って3 年たちますが、「テレビ持ってないの?」と聞かれては、「持っていないんだ。」と答える私。これが定番の挨拶となっています。ワークショップは基本的に四つ切り画用紙に描画していますが、画用紙が少なくなった機会に、断裁を行って手渡したところ、国旗を描き始める方がいました。その方にとって、用紙サイズによって描き分けるテーマがあるらしく、同サイズの用紙をお渡ししたところ、数種類の国旗を描かれました。学習教材である国旗カードを持参していくと強い興味を示され、続々と描かれていく国旗は、いつの間にか万国旗となりました。展示では、他の利用者が描かれたパネルの塔を中心に、空間の四方へ万国旗を走らせるレイアウトを設計しました。35 | 市民交流プラザIKODE瓦町 アートステーション ギャラリー | 36