ブックタイトル高松市障がい者アートリンク事業

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概要

高松市障がい者アートリンク事業

「紙はこまいのでいい」夏の日、とうもろこしを描いた時のこと。参加者から「紙はこまいのでいい」と言われた。大きく描けば楽ですぐできるのに。紙にはコーンの粒がどんどん小さくなって増えていった。いっぱい詰まったコーン。短時間の集中力がすごい。沈黙の時間がすぎてゆく。あっというまに時間いっぱい。描かれたとうもろこしは、実物よりも明らかに小サイズで実の数が多い。「こまい」力だ。いや~すばらしい。さてどうしたものか。アートリンクは「とにかく個性を大切にする」ところから始まる。私も含めて。大袈裟ではなく共に生きる人類すべての個性をと、本気で思っている活動だよな。僕が通う銀星の家では、今年度は最終的に14名の方が参加を続けている。私の事を「先生」と呼ぶ。アーティストということで言えば、先生も生徒も無いとはいえ「先生役」になるよな。というか、僕はそういうスタートがいいと思って進めてきた。実際14名の方も同じ施設内とはいえ、6名がぎんせいワークに通う知的障がいのある方で、8名が銀星の家に属する身体障がいのある方。それぞれにコミニュケーションの取り方が異なり、各自適した道具があり、イス机の設備などが違っている。最初のうちは一緒に描いていたのだが、さすがに大人数なので、2グループに分かれて活動してきた。僕は以前参加した「アートリンク・プロジェクト」の活動を通じて、時間の流れるスピードが人によって違うと実感するようになってきた。各自のペースと僕のペースと、そして世の中のペースと全部違うのだが、特にアートリンクでは、それがよく現れる。銀星の家では、まだやっと10カ月。ようやく皆さんの時間を僕は感じ始めた所かな。今はこの関係をベースに、ちょこっと自分も展示イメージに参加できればいいのかな。15人目の参加者みたいに。そんな事を考えながら展示前の2月を過ごしている。5